高速レシプロ機エトピリカの操縦桿を握りながらカール・シュニッツは目を懲らした。
大空の彼方に見えたのは、眩いほどに輝く一対の翼。鱗粉のように撒き散らされる光の礫。
それは、未だ人類が到達できない領域の存在――虹龍の雄姿だった。「彼らが舞うあの世界は、痛みも悲しみもない場所に違いない」少年の頃からずっと……
そしていまもなおカールはそう信じてやまない――。
これはまだ、龍の翼に神秘があった頃の物語。遙かなる神々への領域を目指した、挑戦者たちの記録。
ニトロプラスの名作『吸血殲鬼ヴェドゴニア』『沙耶の唄』で知られる伝説のタッグが復活。完全オリジナル新作始動!
内容
アイゼンフリューゲル 2巻
「始まっちまったぞ。宣戦布告してきやがった!」ただならぬクルツの剣幕に、カールの最悪の予想は確信に変わる。きっと、開戦と同時にブリッツフォーゲルは軍部に強制的に接収されてしまう。北極圏での帝凰龍との対決以来、ブリッツフォーゲルの前に現れる龍はいない。蒼穹の中、孤独なカールは操縦桿を握りしめ、あの煌々たる輝きを思い出す。“何故、飛ぶのか”“何故、挑むのか”…帝凰龍と対決をしたあのとき、カールは『彼』にそう問われたような気がしてならない―。
著者略歴
(「BOOK著者紹介情報」より)
虚淵 玄 ゲームメーカー「ニトロプラス」所属の脚本家。2000年『ファントム―PHANTOM OF INFERNO』にてデビュー。流行を追わない独自のスタイルが作品を発表するたびに話題を呼ぶ。近年は小説家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
アイゼンフリューゲル2 (ガガガ文庫)
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